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2017/04/16(Sun)

[更新確認] イースターですね

ということで、自分追い込み用にアップです。といいつつ、たぶん、後で加筆します。主にエッチシーンかなぁ……
次はスザク誕生日ネタですね。
問題は秋の短編のお題が決まっていないこと。
仕方がないので、先にルルーシュ誕生日ネタを書くしかないのか。


ということでイースターです。
いつものドタバタですね〜

 うさ耳をつけたルルーシュは必死の形相で廊下を駆け抜けている。
「会長のバカぁ!」
 はじめはただのエッグハントだったはずだ。少なくとも自分が目を通した企画書ではそうなっていたのに、と心の中でつぶやく。それなのに、何故、こうなったのか。これもミレイの意趣返しなのか、と思いながらも階段へと向かう。そのまま手すりへと飛び乗ると滑り降りた。
「スザクに教わったこれが役立つ日が来るとは思わなかったな」
 普段なら行儀が悪いと言ってやらないことを学校でする羽目になるとは思いもしなかった。そう思いつつも踊り場で一度降りる。そして、改めて手すりを滑り降りた。
 これがスザクならばもっと簡単に飛び降りるのかもしれないが、体力がない自分では無理だ。それよりも、早くゴールへとたどり着かなければいけない。そこまでたどり着けばとりあえず一息つけるはずだ。
 もっとも、と心の中でつぶやく。
 ミレイのことだ。きっとゴール前にとんでもない仕掛けをしてくれているに決まっている。それをかわさなければ到着できないだろう。
 さて、どうすれば彼女の裏をかけるか。
 そう考えつつもとりあえず目的地方面へと向かう。もっとも、途中でこっそりと生徒達が使う廊下から整備用の通路へとルートを変える。
「……と言っても、ゴールに向かうのは危ないな」
 間違いなく、そこにトラップが仕掛けられているはず。
「スザクが一緒ならいくつか方法があるのだが……それも狙っていたな、会長は」
 彼は今、生徒会の書類を中等部の教師に届けに行っている。交流会の書類だから、間違いなく担当教師に届けなければいけない。そう言われた以上、まじめな彼は本人に会えるまで戻ってこないだろう。
 だが、そこにミレイの工作があったとすればどうなるか。間違いなく教師の方が時間稼ぎをするはずだ。そうなれば、スザクが戻ってくるのはさらに遅くなるだろう。
 つまり彼の助けは望めないと言うことだ。
 さて、どうするか。
「会長に一泡吹かせてやりたいし」
 方法はいくつか考えつくが、問題はそれを実行に移せるだけの身体能力がないことか。本当に、マリアンヌの身体能力の一部だけでもいいから受け継ぎたかった。そうつぶやいたときだ。
「お困りのようですね」
 いきなり背後から声がかけられる。反射的に振り向けば良く見知った相手がそこにいた。
「咲世子さん……驚かさないでくれ」
「申し訳ありません。いつもはお声をかけさせていただく前に気付かれるので」
「スザクがな」
 自分は完全に気配を消されるとわからない、と言外に続ける。
「わかりました。次回からはスザクさんがいらっしゃらないときにおそばによるときには気配を消さないようにさせていただきます」
 スザクがいるなら今まで通りでかまわないだろう。咲世子のその判断は正しい。だが、何故か釈然としないものを感じてしまう。
「それで? 何かあったのか?」*
 彼女がわざわざ足を運ぶような、と問いかける。
「……陛下が暴走中でいらっしゃいます」
「はっ?」
 彼女の言葉の意味がすぐには飲み込めず、ルルーシュは間抜けな声を漏らす。
「あのロールケーキが暴走しているのは通常運行だろう?」
 そのままいつもは婉曲に告げる内容をストレートに口にしてしまった。
「そうなのですが」
 だが、さすがはマリアンヌが鍛えた隠密だ。あっさりとうなずいてくれる。
「今回はさらにはっちゃけておられるそうで……何でもナイトメアフレームを使ってのエッグハントだそうです。優勝者には希望のものを何でも与えるとおっしゃったとか」
 皇妃と皇位以外の、と付け加えたのは彼なりの線引きなのだろうか。それでも、だ。
「……まずいだろう、それは」
 自身は皇位を望めなくてもその配偶者になりたがるものは多い。姉や年長の妹達は大丈夫だろうがナナリーやカリーヌ、ユーリアあたりはどうなるかわからない。そして、今ならば自分たちの好きなように教育できるかもしれないと考えているものも少なくはないだろう。
 そんな人間が優勝したらどうなるか。
「……母さん達は?」
「激おこでいらっしゃいます。ですので、スザク様とジノ様、アーニャ様を至急呼び寄せられました」
 他にもオルドリンやらノネット達ラウンズやらが引っ張り出されているらしい。コーネリアも当然参加予定だとか。
「ナナリー様のおそばには、今、ロロがついております」
 さらりと一番気になっていたことも報告してくれる。
「ですので、ルルーシュ様のおそばには私が」
 どうして彼女がここに来たのか、それで納得をする。
「ならば、早々にこちらに片をつけて、あのロールケーキのところへ乗り込まないとな」
 自分たちを景品にしてくれたお礼はしなければいけないだろう。ルルーシュはそう言って嗤う。
「もっとも、スザク達が優勝してくれれば何の問題もないわけだが」
 スザクが何を希望するかは想像がつく。そして、それは自分たちにとってマイナスになるものではない。だから安心していられる。アーニャやオルドリンも同様だ。ジノに関してはマリアンヌ怖さであまり無茶を言ってこないだろう。
 それでも、シャルルが余計なことを言えばあっさりとひっくり返ることではある。その前に思い切り釘を刺しておかなければいけない。
「わかりました。攪乱はお任せください」
 返送道具はいつでも用意してあります。その言葉が何を指しているのか、想像がつくだけに怖い。
「頼むから、俺のイメージだけは堅守してくれ」
 ため息とともにそうつぶやくしかないルルーシュだった。

 あちらこちらから悲鳴とも歓声ともとれる声が響いてくる。それに冷や汗を浮かべながらもルルーシュは律儀に卵を隠しつつ目的地へと向かっていた──女子の制服で。
「なんでこんなものを持っていたんだ?」
 咲世子が変装目的で用意していたならばまだいい。日本人は年齢よりも若く見えるから、咲世子の実年齢ではちょっと苦しいが、妥協出来ないわけではない。
 後可能性があるのはユーフェミアあたりか。コーネリア達ならば堂々とやってくるだろう。それもまだいい。
 しかし、だ。
 万が一、これを利用していたのがマリアンヌだったならばどうしよう。
 そんな考えが一瞬脳裏をよぎる。だからといって、自分に止められるかどうかと聞かれれば、答えは『否』だ。
「深く追求するのはやめておこう」
 それよりも、今はやるべき事を終わらせよう。そうつぶやくと、最後の一つを適当な場所に放り込む。
「後はミレイへの意趣返しか」
 何がいいだろうか。
「……あぁ、ちょうどいいものがあったな」
 見た目だけはきれいだが味は悶絶ものというお菓子が、とルルーシュは笑う。もちろん、彼が仕上げをしたものではない。ルルーシュが作った土台のクッキーにシャーリー達がアイシングしたものだ。アイシングすらもちゃんとルルーシュが用意したにもかかわらず、何故か味が最悪になった。どうやらシャーリーが皆を驚かせようとアイシングをする前にあれこれ細工をした結果らしい──ちなみに、ルルーシュが食べたものにはキムチが隠されていたらしい。
 さすがにこれはまずいと言うことで彼女が細工したものは分けておいたのだが、それをおいておけばいいだろう。後は書類でも山にしておけばいい。へたをすれば、日曜日である明日ともかく、月曜日は登校できない可能性があるのだ。その分の書類まで押しつけられてはたまらない。
 たとえこの山の半分だけでも片付けてもらわなければ後々詰む。そうならないためにはどうすればいいのか、とルルーシュは心の中で自問する。
「やっぱりこれしかないか」
 そう言いながらルルーシュは一枚の白紙を取り上げるとそのうえにペンを走らせた。書き終わったものを書類の山の一番上にのせる。
「この二段構えなら大丈夫だろう。もっとも、それでも無視する可能性を否定できないのがミレイだがな」
 だが、周囲の者達はどうだろうか。彼らであれば少しでも身の安全を確保したいと考えるはずだ。あるいは自分の負担を減らそうとするか。どちらにしろ、自分が考えているとおりの行動をとってくれるだろう、とルルーシュは思う。
「お待たせしました」
 そのときだ。背後から咲世子の声が届いた。視線を向ければ、もういつものメイド服姿に戻っている。
「ご苦労だったな」
 ルルーシュはそう言いながら手をさしのべた。
「お時間がもったいないので、そのままいかれてはいかがでしょうか」
「……その後の騒ぎを咲世子さんが責任を持って納めてくれるなら、それでもかまわないが?」
 シャルルが別の意味で暴走してくれるだろうが、と言外に告げる。
「申し訳ありませんでした」
 即座に手のひらを返すと、咲世子はきれいにたたまれた制服を差し出してきた。
「さすがにな。これがハロウィンなら妥協したんだが」
 誰が仮装をしようと気にしない日だから周囲の暴走も押さえられるだろう、と付け加えつつ着替えのために移動をする。
「そういえば、うさ耳はどうした?」
 あるならナナリーにでも渡そうかと思っていたが。心の中でそうつぶやいた。
「ミレイ様につけさせていただきました。今頃はあの方が追いかけられている状況です」
「それで多少なりとも体力が削られてくれればいいんだが」
 無理だろうな、とルルーシュはため息をつく。マリアンヌの周囲の女性は皆、妙なところで彼女に似るのだ。その最たる者がナナリーだろうと思っている。せめて、その十分の一でも自分が受け継いでいれば、と思わなくもない。しかし、その分を受け持ってくれる相手がいるからいいのか、とすぐに思い直す。
 その間にも着替えは滞りなく進んでいく。女子の制服をたたむのも迷わなくなったのは悲しむべきなのだろうか。そんなことを考えつつも咲世子の元に戻る。
「では、行くか」
 シャルルを〆に、と言外に告げた。
「はい」
 即座に咲世子がうなずく。それを確認してルルーシュは歩き出した。

 戻ってきたミレイがルルーシュの置き手紙を見てどのような声を上げたのか。それは彼のあずかり知らぬことである。

 目の前のあまりにシュールな光景に、さすがのルルーシュも一瞬動くことを忘れた。
「……てっきり、大きな卵の模型を使っているものだとばかり思っていたのだが……」
 普通の卵で作られたイースターエッグ。それをナイトメアフレームでつぶさないように拾い上げている。その光景は訓練にしても異様だ。
 だが、逆に言えばこれならばスザクに十分勝ち目がある。あいつはランスロットで綴りひもを蝶結びして遊べる人間なのだ。もちろん、マリアンヌもそのくらいはできる。彼女の場合、なぜか自分の手ではできない棒編みも、ガニメデでならできるのだ。はっきり言って、それはおかしい。我が母ながらなぜ普通にできないのかといいたくなる。それでも彼女がマフラー──というにはかなり分厚くごつい。ナイトメアフレームにつけるならばちょうどいいようなサイズだ──を完成させ、それをシャルルに持って行ったときにはうれしそうだったから指摘するのはやめておいた。そんな彼女だからこそ、スザクも妙に細かい動きが得意になったのだろうか。
「まぁ、いい。それよりもあのロールケーキのところに行かないと」
「こちらです」
 即座に咲世子がこう言ってくる。
「マリアンヌ様からルートを指示されておりますので」
 それはそれで何か理由があるのだろうか。だが、マリアンヌの指示ならば無視するのはまずい。そう判断をしてルルーシュは素直にそれに従うことにした。
 すいすいと進む咲世子の後をついて行くこと数分。目的地の近くまでついたとき、シャルルの声が耳に届いた。というより、この距離で聞こえるとはどれだけの声量で話しているのか。そう思いながらもルルーシュはその声に聞き耳を立てる。
「だから、儂は子供らとちょっとしたふれあいをしたかっただけなのだ! あの書類もすべてはそのためのもの。それをどこぞの貴族の手の者が勝手に資質糧持って行き、自分たちの都合のよいようにしようとしただけよ」
 だから、参加者の年齢が十七歳以下だったのだ。シャルルはさらにそう付け加えた。
「ルルーシュ達があまりおねだりをしてこぬから、機会を与えようとしただけではないか」
 さらに彼はそう続ける。だから『何でも望むものを』だったのか、とルルーシュは納得する。納得はするが、だったらちゃんと管理しておけといわずにはいられない。
「あの子達は節度を知っているのです。どこかの甘やかされた豚と一緒にしないの!」
 それは血筋以外誇ることがないきょうだい達のことだろうか。マリアンヌの声にルルーシュは心の中ではき出す。
「全く……早めにシュナイゼルが気づいてくれたから、なんとかなったものを。そうでなければ、今頃ユーフェミアやマリーベルには望まぬ婚約者ができていたでしょうね」
「それは!」
「あなたがしたことはそういうことです!」
 これはユフィ達の母君の声か。
「全く……思いつきで行動するのはやめてください」
 そう言いながら、ルルーシュもシャルルの前に姿を見せる。
「陛下にねだらなくても、必要なものは自分で手に入れています。ユフィやマリーそれにナナリー達も同様です」
 自分では無理なときにはきょうだい達で協力し合っている。それでも無理ならばシャルルに相談したかもしれないが、今のところ自分たちだけでなんとかなっているのだ。
「第一、父上は皇帝陛下ではないですか。俺たちのことを考える前に国のことを考えてください。どうしてもおねだりさせたいなら、もっと頻繁に各離宮に足を運んでください」
 そこでならば甘えることもあるかもしれない。そう言ってルルーシュは笑う。
「ただし、その場合は平等にしていただかないと後が面倒ですけど」
 マリアンヌと仲のよい后妃達にではない。それ以外のもの達にだ。
「そうね。平等にしないとね」
「……大変ね。年に一回、来てくださるかしら?」
「三回はいらしていただけるんじゃないの?」
 マリアンヌの後に続けてほかの后妃達もそう言って笑う。シャルルもまさかこう切り替えされると思っていなかったのか、目を白黒させていた。
「そういうことで……俺は兄上方と万が一の時の相談をしてきます」
「スザク君がいるから大丈夫だと思うけどね」
 マリアンヌがほほえみながらそう言ってくる。
「俺もそう思いますが、徒党を組まれると面倒ですから」
「それもそうね」
 ネズミやのみ、ゴキブリがやっかいなのは数が多いからだ。彼女は平然とそう付け加える。どうやら、今回スザク達とともに参加している馬鹿はマリアンヌにしてみればそのレベルで十分というもの達らしい。
「まぁ、スザクかマリーの騎士のどちらかが優勝だとは思いますが」
「私もそうだと思うけど……そうね。ルルーシュ発破かけてきなさい」
「わかりました」
 スザクならば声をかけなくても大丈夫だろう。だが、やはり優勝するところが見たい。
 マリアンヌも背中を押してくれたから何があっても大丈夫だろう。そう判断をすると、ルルーシュはさっさとその場を後にした。

 ちなみに、その日の午後のシャルルの謁見が中止された理由はいわなくてもいいだろう。

 優勝者はもちろん、スザクだった。僅差で準優勝がマリーベルの騎士オルドリンだったのは妥当なところだろう。それぞれがシャルルから望みのものをもらえることになった。
 オルドリンはスザクのランスロットが気になったらしく、それをねだったらしい。
 スザクはといえば日本刀の逸品を、とある意味、謙虚なものを口にした。
「よかったのか?」
「だって、一番欲しいものはすでに手に入れているもん」
 そう言いながら彼はほほえむ。
「間違ってる?」
「間違ってないな」
 そう言いながら、そっと顔を寄せる。その意図がわかったのだろう。スザクはルルーシュの体を引き寄せた。
「……月曜日、生徒会室がどうなっているか。それだけは覚悟しておいてくれ」
 唇が触れる瞬間、ふっと思い出してこう告げる。
「いつものことでしょ」
「……それもそうだな」
 まぁ、程度は違うが。それでもいつものことだろう。
「学校に行ってからゆっくり考えるか」
「そうしてくれるとうれしいかな」
 この言葉を合図に、ようやく二人の唇が重なった。



by ふみづき(旧:遊木祢湖) | 2017/04/16 20:15:59 | 更新確認 | comment(0) | trackback(0)
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