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「ルルーシュも連れて行っていいですか?」 その話を耳にした瞬間、スザクはこう言ってしまう。 「ついでに、半日でいいので休暇をもらえると嬉しいんですが」 そうすれば、少し足を伸ばしてルルーシュと一緒に神社と両親の墓参りぐらいはできるのではないか。そう考えたのだ。 「ん〜、いいよぉ」 それに、ロイドは膝の上に置いたモニターから顔を上げることなく言葉を返してきた。 「ロイドさん」 もっとも、セシルの方はそうではなかったが。 「そうは言うけどねぇ。スザク君が落ち着いてテストに臨める環境を作って上げることも必要でしょぉ」 シュナイゼル殿下は本国にお戻りになられたけどぉ、どこにあの方の手の者がいるかわからないでしょぉ……とロイドは口にする。ルルーシュ君をここに残していって、万が一、そいつらにさらわれないか。スザクがそう考えることで集中力が落ちるくらいなら、連れて行った方が言いに決まっているじゃないか、とも彼は続けた。 「それにぃ、ルルーシュ君は大人しいから邪魔しないよぉ」 だから、大丈夫……と彼は笑う。 「休みの方は……スザク君のがんばり次第だよぉ」 テストの予定が順調に消化できれば、半日ぐらいは上げられるかなぁ……と言われて、スザクはほっと胸をなで下ろした。 「でも、何をするのかだけは教えてくれるかなぁ?」 それも考慮の要因にするから、とロイドが聞いてくる。 「……もうじき、母の命日なので……そこからなら、半日とかからずに墓参りができるんですよ」 ついでに、神社の方も覗きに行きたいし……とスザクは微かな苦笑とともに告げた。 「あら……それならば、絶対に休暇をあげないといけませんね」 お墓参りは重要だろう……とセシルは真顔で口にする。 「だからぁ、テスト次第だってぇ」 予定次第とも言うけどねぇ、とロイドが言い返す。 「わかりました。きっちりとスケジュールを立てさせて頂きます」 だから、きっちりと守ってくださいね……と笑う彼女が一番恐いかもしれない。 ひょっとして、自分がこんなことを口にしたのは失敗だったのだろうか。そう思ってしまうスザクだった。 それでも、ルルーシュを膝の上に乗せたまま流れていく景色を眺めていると気分がほっとしてくる。あるいは、見覚えがある景色が広がっているからだろうか。 「ほら、ルル。見覚えがあるところに来たよ」 こう言いながらスザクはルルーシュの体を膝から胸へと移動させた。そして、窓の外が見えるようにしてやる。もっとも、猫が目の前の光景を認識できているかどうかはわからない。しかし、ルルーシュだから大丈夫だろう、と思うのだ。 「なぁ」 彼もまた、スザクに同意をするように鳴き声を上げる。 「ルルは、ここでずっと僕のことを待っていてくれたんだもんね」 戻ってくるかどうかわからなかった自分を、と考えれば何とも言えない気持ちになってしまう。同時に、もう二度と彼を手放したくないとも考えるのだ。 「大丈夫。ずっと一緒だからね」 捨てに来たわけじゃないから、と付け加えたのは、きっとあの時彼を手放してしまったことを後悔しているからだろう。それに答えるように、ルルーシュは頬を舐めてくれる。 「大好きだよ、ルル」 そんな彼の背中を、そうっと撫でてやった。 「本当、この辺は変わらないでいてくれてよかったよね」 ふるさとの光景が変わってしまったら、きっと悲しいから。そう思ってしまうのはいけないのだろうか。少し悩む。 「……って、あれは」 それでも外を見つめ続けていたときだ。不意に見覚えがある人影が確認できた。いや、スザクだからこそ確認できたと言った方がいいのかもしれない。 「C.C.?」 まさかとは思う。でも、あの特徴的な髪の色の女性なんて、彼女しか知らない。 「……な?」 「そういえば、夕べ、話を聞かれていたね」 そして、枢木神社は彼女の自宅のような物だ。と言うことは、追いかけてきたのかもしれない。 「何か……平和には過ごせそうにないかも」 そんな気がするのは自分の錯覚だろうか。 「まぁ、知り合いが大勢いる方が楽しい、かな?」 彼女は、仕事中に姿を現すことはない。だから、神社に行くときにピザの一枚でも持っていってお供えしてくればいいだけのことだろう。 それで、きっと、黙っていてくれる。 いや、そうして欲しい。 本気でそう願ってしまうスザクだった。 終 BACK 07.08.15移動 |