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「……殿下……ずいぶんとお疲れのご様子ですが……」 現在、国会は閉会中なのだとか。それでも一国の首相となれば遊説があるのではないかと思う。 それでも、枢木ゲンブが時間を作って帰ってきたのは、間違いなく自分がここにいるからだろう。それはルルーシュにもわかっている。 「そう思われるのでしたら、あなたのご子息を何とかしてください!」 これが八つ当たりだと言うことはわかっている。でも、そういうしかない。 「……申し訳ない」 ゲンブはこう言って肩を落とす。 「本当に、どこで教育を間違えたのか……」 自分が忙しすぎたのがいけなかったのだろうか、と彼はため息を吐いた。 「それに関しては、今からでも矯正できるでしょう。きちんとした教育係でも探してください」 だが、それよりも……とルルーシュは言葉を重ねる。 「すみませんが、僕の部屋にセキュリティを追加させて頂いてよろしいでしょうか。取りあえず、ドアに鍵を追加させてください」 それも、外からは開けられないたぐいのを……と告げた。この調子で睡眠まで妨げられてはやってられない、と本気で思う。 昼間であれば、あのきょうだい達と付き合っていた経験からなんとでもなる。むしろ、警戒対象がスザク一人になっただけでもましではないか。 そう考えては見るものの、寝込みを襲われる可能性があると考えればそうもいっていられないのだ。 「もちろんです。早急に手配をさせて頂きましょう」 「お願いします。くれぐれも合い鍵は彼に渡さないでください」 今晩は、取りあえず手持ちの分で何とかするしかないだろう。しかし、冗談で持ってきたあれらを使うことになるとは、とルルーシュはため息を吐く。 「もちろんです。合い鍵を含めて、全て殿下の元に」 この言葉にルルーシュは静かに頷き返す。 「では、そろそろ宿題をしなければいけませんので」 そして、この言葉とともに彼の前を辞そうとしたときだ。 「いくら父さんでも、ルルーシュに手を出したら許さないからな!」 スパーンと音を立てて障子が開けられた……と思った次の瞬間、この言葉とともに飛び込んできた人影がある。それが誰であるかなんて、確認しなくてもわかるだろう。 「スザク……私は殿下に卿のことをお聞きしていただけだ」 ため息とともにゲンブがこういう。 「お前は自分の父親も信頼できないのか?」 あきれた奴だな、とルルーシュも冷たい視線を投げつける。 「そんなこと言ったって、ルルーシュは美人で可愛いんだよ? 父さんはやもめ男だし……ふらふらすることだってあるじゃないか!」 忙しすぎてろくに発散もしていないに決まっているんだから! とスザクは普通なら自分たちの年齢の子供が口にしないようなセリフを平然と口にしてくれた。 「……スザク、お前という奴は!」 それが逆鱗に触れたのだろう。ゲンブは怒りを爆発させる。 次の瞬間、壮絶な親子げんかは勃発した。 「……僕は、これで失礼をさせて頂く」 それに巻き込まれなければいけないいわれはない。そう判断をして、ルルーシュは静かに部屋を後にする。 幸か不幸か、二人はそれに気が付かなかったようだ。 BACK 08.05.21移動up |