この静寂な空間にいるのは自分達だけだ。
本来であれば、もっと多くの人々に参列してもらうべきなのだろう。だが、今の自分達の立場ではそれを望むことは不可能だ。
だが、と心の中で呟く。
二人だけの誓いこそ、自分達にふさわしいと思う。
「こういうときの定番と言えば『良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分かつまで、愛を誓いますか』だったか?」
結婚式に出席する機会などほとんどなかったからかなり曖昧だが、と呟く。
「違うよ、ルルーシュ」
だが、その言葉をすぐに否定される。
「スザク?」
どういう意味だ、と視線だけで聞き返した。
「死が二人を分かつとも、だよ」
そうすれば、満面の笑みとともに彼はそう言い返してくる。
「日本では輪廻転生という概念があるからね。人は必ず生まれ変わるんだ。その先でも、僕らは絶対、巡り会うんだ」
そして、きっとまた恋に落ちるに決まっている。スザクはそう続けた。
「ロマンチストだな」
苦笑とともにルルーシュは言い返す。
「だって、僕の魂は結びついているから」
例えどのような出会いをしようとも、最後には恋に落ちる。スザクはそう断言した。
ここまで言い切られては、ルルーシュもそんな気持ちになってしまう。
「そうだな。そうだといいな」
この先、何度生まれ変わろうともそばには彼がいてくれる。そんな未来があるならば、この後もことも怖くない。
「それならば、良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分かつまで、枢木スザクだけを愛することを誓います」
その思いのままこう宣言する。
「良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分かつまで、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアだけを愛することを誓います」
一瞬目を丸くした後で、スザクもこう言い返してくれた。
「って、何か僕の方がお嫁さんみたいじゃん」
お嫁さんはルルーシュなのに、と彼はため息をつく。
「いいだろう、別に」
自分達しか見ていないのだ。だからどちらがどちらでも、と続けた。
「確かに僕ららしいね」
スザクもこう言って頷く。
「じゃ、誓いのキスは僕からだね」
言葉とともに彼はルルーシュの腕を引く。そして、倒れ込んだ彼の体を自分の胸で受け止める。
「スザク」
「愛してるよ、ルルーシュ」
この言葉とともにスザクの唇がルルーシュのそれを塞いだ。
14.02.23SxL祝婚歌配布 14.05.06up